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幻想〘HQ〙

第1章 彼女は王様の妹*及川徹


~葉月side~


ついに放課後になってしまった
ああっまだ心の準備が出来てないのに...


「葉月ちゃんデートのお迎えに来たよ♡」


来た!及川さんだ
ってデートじゃないです!


「えっ及川さんとデートするの?」


英にデートではなく買い出し
岩泉さんも一緒だと言ったら
"気をつけてね"って言われた
何に気をつけたらいいんだろ?


小首を傾げながら岩泉が待つ下駄箱へと来た


『ん?なにコレ』


下駄箱に紙切れが入っていた
開いて読んでみると
〔用事が出来たから帰る 岩泉〕の文字


え?どういうことですか岩泉さん
帰ると言うか帰ったんですよね
買い出しは及川さんと二人きり?


「あれ?岩ちゃんどこ行ったんだろ?
い~わ~ちゃ~んどこ~」


『あの及川さんこれを...』


なになにと読む及川の顔を見ていると
パァッーと笑顔になったあと少し顔が曇った


及川さん私と二人っきりに喜んでくれてるのかな?


「葉月ちゃんあのさ...」


及川さんが"行くのやめる"と言い出す前に
早く行きましょう買い出し!と先に口を開いた
照れ隠しにデートじゃなくて!買い出しと言った


どもっちゃった、恥ずかしい....


「うん🎵行こうか買い出しに」


そう言ってスッと手を伸ばしてきた


これは手を繋ごうって事でしょうか...


おずおずと及川さんの手に触れる


恋人繋ぎってやつだよね?どうしよう嬉しい
ああきっと顔が赤くなってる
当分及川さんの顔見れないよ


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