第8章 恋する瞳は隠せない*菅原孝支
練習試合は2-1で無事に終了し
相手校を見送り今は片づけをしている
「早く片づけしろよー」
烏養監督が時計を見て片づけをせかす
平日に組んだ練習試合だったため時刻は19時を過ぎていた
「葉月遅くなったけど大丈夫?」
『大丈夫ですよ淑子さん』
外を見ると辺りは薄暗くなってきている
「俺、送っていきましょうか?」
同じ方向なのでと影山が立候補してきた
「いやいや、副主将のスガ送ってやったらどうだ?」
「え!?主将の大地が送っていくべきじゃないの?!」
「俺は清水を送ってくから無理だな」
ついでに告白しちゃえよ!とニヤニヤ笑って肩を叩いた
何言ってんだ大地のヤツ!
じゃあそれで決定!と片づけを再開する
暫くするとダダダダッという誰かが走る音が体育館に近づいてくる
「な、なんだ?」
バァ―ンッと体育館の扉が開いた
「及川さん!?」
「葉月ーー!!」
『何しに来た!?』
手を広げ抱きつきに来た及川の頭をスパーンッと思いっきり叩いた
「痛゛っー!!叩かなくてもいいじゃん!」
『何でここにいるのかって聞いてんだけど!!』
「なんでって今日は~部活休みだし~」
『ハジメは?』
「岩ちゃんはさ、用事があるって先に帰っちゃったんだよね~」
『で?』
「それで仕方ないから大人しく帰ったけど
いくら待っても帰って来ないし母さんに聞いたら部活に入ったって言うし
し か も!男バレのマネージャーだっていうじゃん!!?
なんでよりにもよって男バレなの!女バレでいいじゃん!!」
『もしもし?うんそう急いできてね』
「ってなに無視して電話してんの!?」
『うっさいバカ徹!?』
これはどう言うことだ?
なんで青城の及川がここにいるんだ?
月島以外の部員がなにしきた!と言う顔で見つめる
「あっどうも~お久しぶり烏野の皆さん
葉月の兄で~す🎵」
『私は他人になりたい』
酷っ!?と泣き真似をしている