第8章 恋する瞳は隠せない*菅原孝支
及川って言うからもしかしてって思ってたけど
本当に妹だったんだな....
べたべた葉月に引っ付く
及川を見て小さなため息をついた
「おいコラ葉月にベタベタ引っ付くな!」
「兄妹のスキンシップだよ🎵」
威嚇する田中ににこやかな笑顔でかえす
『もう私は高校生なんだからねっ
兄妹でもセクハラで訴えるよ?』
ギャーギャー騒ぐ田中と西谷を澤村が宥める
「僕早く帰りたいんですけど...」
我関せずと淡々と話す月島
「来たぞ葉月」
開け放たれて体育館の扉から青筋をたてた岩泉が入ってきた
「ゲッ!?岩ちゃんがなんでここに!!」
「葉月から連絡がきたんだよ!?
なに他所の学校の奴に迷惑かけてんだクソ川!!?」
バシッと頭をしばき首根っこを掴むと
ズルズルと引っ張る
「俺は葉月と一緒に帰りたいんだけど!?」
「いい加減妹離れしろやっ!?」
『皆さんお騒がせしました』
体育館から及川と岩泉が
消えたのを確認すると謝る
「た、大変だね...」
「兎に角だ!
スガは葉月を送って帰れ
いいな!?」
「わかってるよ大地」
『さっきは兄がすみません....』
「全然大丈夫だよ!」
伏し目がちにこちらを見る葉月に
ぶんぶんと手を振って答えた
『心配性のシスコンで今まで彼氏はおろか
男友達も居なかったんです』
「あのさ...岩泉は?」
『ハジメ?ハジメは頼りになる兄です!
本当の兄よりも兄だと思ってます!!?』
拳を握って力説する葉月
「及川ずいぶん嫌われてるなぁ」
『あんなのがいるから
彼氏も出来ないんですよ?』
「ねえ葉月
その事で話があるんだけど」
『?なんです孝支さん』
「あのさ...俺じゃダメかな?」
『えっ?』
葉月が好きだよ。君だけを見つめているよ
だから俺とつき合ってください!!
恋する瞳は隠せない*菅原孝支 End