第8章 恋する瞳は隠せない*菅原孝支
~葉月side~
過保護の兄の要望で中学まで女子校に通っていた私
高校は自分の好きなところに通いたいと
必死に説得し烏野高校に入学した
入学当初は同じ高校に入らなかったことに
ブツブツ文句を言われ"早く帰ってきてよ"と言われ
仕方なく1年の時は帰宅部だった
2年になって兄に内緒で男バレのマネージャーになった
小中とバレーをしていたのでルールは完璧!
本当は女バレに入りたかったがケガをしたらバレちゃうので断念した
「ねえ葉月最近が帰りが遅いって
母さんに聞いたんだけど」
『友達と学校で勉強してるだけだけど』
「友達って女の子だよね!」
『当たり前でしょ!いちいち干渉しないでよ!?』
「え~だって葉月可愛いから心配なんだもん」
『"もん"とか使わないでよ気持ち悪っ!』
「岩ちゃんみたいに言わないで!」
『じゃあ声かけないでよ
もう学校行くから!?』
毎朝兄との会話だけで体力を消耗する
家から出て電車に乗り高校へと通う
『はぁ~...』
放課後になって部活中に
朝から何回目かも分からない溜息を吐く
「葉月ちゃん疲れてるな~」
『あっスミマセン
ちょっと朝のこと思い出して...』
「ケガだけはしないように気をつけろよ」
『はい』
気持ちを切り替えてボール拾いを始める
「及川さんはいますか?」
暫くして体育館の扉が開き武田先生が入ってきた
『ここにいます』
「お兄さんがケガをしたみたいですぐに行ってあげてください!」
『は?ケガ?
行かないといけないんですか?』
「え!あの...及川さん?」
『はあ...わかりました
すっっごく嫌ですが行ってきます』
「が、がんばってね葉月ちゃん」
ぜっったい大したことないんだよね
大げさに電話までかけてきて何やってんのよ!