第7章 境界線の恋*二口堅治
「作並、葉月いる?」
お昼休みに葉月のクラスに顔を出した
「はい。山城さーん二口さんが来てるよ!」
放課後に体育館の点検が入った為部活が無くなった
『堅治?どうかしたの?
もしかしてお弁当忘れたとか?』
「違う。今日の部活無くなったから買い出し付き合ってやるよ」
『ホントッ!ありがとう
荷物持ちが増えると重たいもの買えるから助かるよ』
荷物持ちが"増える"?
誰かと行く約束してるのか?
「おい葉月...」
『じゃあ、放課後に校門で待ってるからよろしくね!』
まあいいか放課後になればわかることだし
と呑気に考えたことを後悔した
「...なんでお前がいるんだよ」
「お前こそ!俺、邪魔すんなって言ったよな二口!」
放課後に青根と一緒に校門にまで行くと
葉月と一緒に居たのは佐伯遥だった
寄りによって何でコイツなんだよ
『センパイも一緒だって
言ってなかったっけ?』
聞いてねえよ!?
「葉月、二口なんかほっといてさっさと行こうぜ」
「俺も行く、青根また明日な」
「ああ」
店に着くとカートを押して次々に商品をカゴに入れていく
『堅治、お米も買って良いかな?』
「なにいちいち聞いてんだよいるんだろ?
買えよちゃんと持ってやるから」
『ありがとう堅治!』
「そうそう、その為に二口はいるんだからなっ!」
「あ゛あ゛!?お前も持てよ!」
「あ~俺はパス~
それよりさ~今度ケーキ作ってよ」
へらへら笑って葉月に話しかけている
はああっ!こいつ何しに来たんだよ!?
『いいですけど...』
なに葉月もOKしてんだよっ!
『ケーキ...作ったら堅治も食べる?』
俺はついでなのかよ...
「グミ」
『え?』
「俺が甘いのは好きじゃないって
葉月知ってるだろ?」
『そ、そうだよねゴメン』
買い物が終わった帰り道
葉月と会話することは一切なかった