第7章 境界線の恋*二口堅治
『お疲れ様で~す🎵』
ガラッと体育館の扉が開き笑顔の葉月が入って来た
「あっ山城さん出来たの?!」
「山城さん今日は何作ったんだ!!」
『今日はね~マフィンだよ』
「いっただっきま~す」
「待て待て待て黄金川!!なに勝手に食おうとしてんだ!?」
バッと葉月の前に立ちはだかる鎌先
「えぇ~!?」
「あっもしかして鎌先さんが一人で食べたいんですか~?」
「はあ!?」
「女の子と縁が無いからって
葉月の手料理独り占めしたいんでしょ?」
「違げーよ!!」
「茂庭さん茂庭さん!食ってもいいっスか?!」
「あーもうっ!みんな集合!?
山城さんにお礼!!」
「「「あざース!!?」」」
にこにこ笑ってマフィンを渡す葉月
なんだ?今日はやけに機嫌がいいな
マフィンを配り終えた葉月は進んで後片付けを始めた
『作並君これはどこに置く?』
「それは部室の持っていくから置いといて大丈夫だよ!」
「山城さん!明日も差し入れある?!」
『明日は買い出しに行こうと思ってる』
ガックリ項垂れるが"じゃあ明後日よろしく!?"
とすぐに切り替えて走り去った
差し入れそんなに喰いたいのか?
それとも女子の手料理が喰いたいだけか?
「二口さんはいいな~」
は?
「可愛い幼馴染いいよね~
しかも料理上手だしね!」
なに言ってだ葉月だぞ?
『堅治お疲れ様
私、調理室閉めてから帰るね』
「は?一緒に帰らないのか?」
『あ~うん...
いつまでも堅治に甘えるわけにはいかいかな~って』
はぁ...今さら何言ってんだこいつ
世話がかかる妹だってことは知ってる
「待っててやるから早く片付けて来い」
『うん!行ってくるね!?』