第7章 境界線の恋*二口堅治
~葉月side~
「おっはよー🎵」
佐伯センパイが毎日声をかけてくるおかげか
連日の告白はストップした
それは良かったのだが....
「葉月、今日はなに作るんだ?」
葉月は調理部に入っている他にも4名ほど居るが
ユウレイ部員でほぼ部活に顔を出さない
調理部が存続するには
"月に2,3回は誰かが部活に顔を出すこと"
と緩~い決まり
『今日はマフィンを作ります』
料理好きな葉月は毎日部活に行っている
「おっ今日は甘いものか🎵
じゃ放課後食べに行くからな~」
また来るんですかっ!?
ちゃんとお断りしたんだけどなあ
放課後になり帰り支度をしていると
同じクラスの作並が声をかけてきた
「山城さん今日も部活するの?」
『うん!今日はマフィン焼くから持っていくね』
「うわぁ~何でも作れんだね~」
楽しみにしてるね~と部活に向かっていった
調理室に着くと材料を準備を始める
その間にオーブンの余熱する
カチャカチャと調理室に音が響く
『今日も誰も部活に来ないなぁ~』
出来上がった生地をカップに流し込み
余熱していたオーブンに並べ
プレーン、チョコ、抹茶と次々に焼き上げる
『これで最後!』
チーズ味をオーブンに入れて使った調理器具を片付け
オーブンの前に椅子を持って来て座り込んだ
『喜んでくれるかなぁ』
「もちろんすっごい嬉しいよ~」
『え!?』
後ろからふわっと抱き付き肩越しに
オーブンを覗きこんで来た
「これなに味焼いてんだ?」
『ちチーズで、す』
なになになに!?なんで抱き着いてるの!!?
「あっちのは?」
『プレーン、チョコ、抹茶です』
「食べていいか?」
どうぞと言うとスッと離れてマフィンを食べ始めた
「うん!相変わらず葉月の料理は旨いなっ」
『ありがとうございます!』
料理を褒められさっきのことを忘れてほほ笑んだ