第6章 チョコより甘い物*花巻貴大
「な~んか今日の葉月ちゃん雰囲気違うよね」
「確かにいつもと違うな」
「お前ら葉月ばっか見てねえで部活に集中しろや!?」
及川と松川の視線の先に居る葉月
いつもと同じようにちょこまかと動いて
マネージャー業をこなしている
「及川さん聞きたいことが...」
「良いところに来たね~
矢巾、今日の葉月ちゃんなんか違わない?」
「?葉月さんですか?」
じっと葉月を見つめる
3月にしては今日は気温が高い
そのためか首筋にうっすら浮かぶ汗に赤らんだ頬
「....なんかエロいっスね」
「そう!それ!?スッキリしたわっ」
「マッキ~葉月ちゃんになにしたの?」
ニヤニヤした顔で聞いてくる
「ウザイ及川」
「え~だってさ~気になるじゃん」
「あ~うっせぇ!
岩泉、俺この後用があるから先帰るわ
おーい葉月帰るぞー」
『はーい。着替えて来るね
みんなお菓子ありがとうお疲れ様』
いつまでも騒ぐ及川を無視して着替え部室を出た
「マッキーになに貰ったの?」
『えっと...まだかな』
「まだ貰ってないの?」
体育館前の前で及川に捕まっていた
「じゃま及川、これからデートなんだよ」
「なんだサプライズプレゼント?」
「お前が今喋ったおかげでサプライズじゃ無くなったわ!!」
「また明日ね~」
行くぞっと葉月の手を握り歩き出した
大通りを抜け駅前にあるスイーツ店に入った
「俺の奢り好きなの頼めよ」
『ありがとう貴大』
葉月がショーケースにくぎ付けになっている間に
カウンターに行き頼んであった商品を受け取る
それを葉月にバレないように鞄に入れた
「決まったか?」
これとコレッと嬉しそうに指さす商品を購入して家に帰った
紅茶を入れて買ってきた商品を取り出すと
口いっぱいに頬張る
『う~んおいし~』
口の端にクリーム付けて何やってんだか
部活中の色気はどこに置いて来たんだ?
微笑むながら顎を軽く持ち上げ
ペロッとクリームを舐めとった
俺はどっちの葉月も好きだけどな