第6章 チョコより甘い物*花巻貴大
今日は待ちに待ったホワイトデーだ
いつもより1時間早く起きて家を出た
「葉月」
ベットに近づいて頬にかかる髪をそっとかき上げる
すやすや寝ている葉月の唇を自分の唇でふさいだ
『っん、はぁ...っ』
薄く開いた唇の隙間から舌を差し込み
無防備な葉月の舌に絡めた
「おはよう葉月」
「お、おはよう///」
頬を赤く染め恥ずかしそうに
布団を口元まで持ち上げたまま挨拶を交わした
葉月が着替えている間に朝食の準備にかかる
と言っても葉月の母が作った物を並べるだけだが
"いつも起こしてもらってるからホワイトデーにお礼がしたい"
と言う俺の願いを
"未来の息子のお願いなら何でも聞いちゃうわ"
そう言って聞き入れてくれた
"早めに仕事に行くから葉月をよろしくね♡"
と出かけて行った
『あれ、お母さんは?』
「仕事に行った」
朝食の準備が出来た頃着替え終わった葉月が
リビングに入って来た
「ご飯の準備できてる
作ったのは俺じゃなくておばさんだけどな」
『うんありがとう。いただきます』
出だしは順調だな
食べ終わり俺が後片付けもすると言ったが
首を縦に振らない葉月に根負けして
俺はソファーに腰を下ろして
洗いのもが終わるのを待っている
水の音が止み暫くすると葉月がキッチンから帰って来た
「葉月こっち」
手招きするとちょこんと俺の隣に座った
「違うこっち」
『え?...きゃ!?』
グイッと引っ張り膝の上に乗せた
「おはようのキスまだだったろ?」
『え!で、でもさっき...キス、したよね?』
「葉月は俺とキスするの嫌い?」
『......すき』
ふっと口元に笑みを浮かべ後頭部を引き寄せ唇をふさいだ