• テキストサイズ

幻想〘HQ〙

第1章 彼女は王様の妹*及川徹


~葉月side~


『はぁ...』


「なんだ朝から心気くせえな」


『今日の放課後に備品買いに付きあうんだけどね』


「及川さんか」


『そう一緒に行きたいって』


すっごく気が重い...
及川さんの前だと素直に笑えない


はぁーっと溜息を吐いて飛雄と学校に向かう


「葉月は及川さんの事嫌いなのか?」


『え?別に嫌いじゃないけど...』


及川さんは女の子皆に優しい
私が特別ってわけじゃない
だからそっけない態度をとってしまう
"付き合って""彼女になって"と
言われた時正直素直に嬉しかった
でもそれは及川さんにとってはただの挨拶
私が及川さんから欲しいのは"好き"の二文字
ねえ及川さん気づいてますか?
私は貴女の事が好きなんですよ


「影山ー!
チンタラ歩いてると俺が勝つぞ!?」


「あ゛!誰がお前に負けるか!
待て日向ボゲッ!」


『いってらっしゃーい』


「何かあったら連絡しろよ!」


『はーい』


自転車に乗った日向を追いかけて
走り去っていく飛雄に手を振った


さあ私も急がないと朝練に遅れちゃう


びゅぅと風が吹き長い黒髪が風で乱れた
俯きがちで髪を整えながら少し速足で歩いていると
ドンッと誰かにぶつかってしまった


『スミマセン』


「ああー葉月ちゃんだ
おはよ~♡」


えっこの声は及川さん?
ってなんで抱きしめられてるんですか!?


「痛゛っ何すんのさ岩ちゃん!」


「朝から盛ってんじゃねえよエロ川!
大丈夫か葉月?」


いえダメです
きっと顔が真っ赤になってる
今は顔上げれないです
って言うか離して欲しいです...


『及川さん...』


「な~に葉月ちゃん?」


『こういう事は好き人にだけにして下さい』


勇気を出してチラッと及川の顔を見ると
目があった瞬間顔を赤く染められた


そんな反応された私自惚れますよ?

/ 86ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp