第6章 チョコより甘い物*花巻貴大
~葉月side~
目が覚めたらいつの間にか自分の部屋にいて
隣には本を読む貴大が居た
さっきまで屋上に居たはずなのにいつの間に...
「あっ起きた?」
私の視線に気づいたのか貴大がこちらに振り向いた
『寝すぎちゃったごめんね、今何時?』
「もうすぐ18時」
『今日おばさんは?』
「もう少しで帰ってくる」
じゃあもう帰っちゃうの?
じっと見つめると読んでいた本を横に置き
ベットに腰を掛け私の髪に手を差し込み梳かしていく
目を閉じ身を任せているとチュッとキスがふってきた
「また明日」
『うん。おやすみ貴大』
荷物を持って立ち上がった貴大を玄関まで見送った
「葉月おはよう」
『おはよう松川』
お弁当パーティー(?)の翌日に朝市から松川に声をかけられた
「葉月って呼んでいい?」
『えっ!どうしたの松川?』
「及川と同じ呼び方は嫌なんだよな~」
『今さら?』
「とにかく葉月って呼ぶから
俺のことも一静って呼んでくれ」
『わ、わかった』
そんな会話があってお互い名前で呼んでいる
貴大以外の男子を下の名前で呼ぶことに少し違和感がある
なんか松川じゃななかった一静変わったよね?
私が寝ている間になにかあったのかな?
小首を傾げながら後片付けをしていると
「おーい葉月!」
『なに一静?』
「今日俺とデートしてくんない?」
『へ?デート?なんで??』
「明日はホワイトデーだろ?」
『そうだね』
「だから今日は俺とデートして♡」
だからの意味が解らないんですけど
「明日は本命の花巻とデートだろ?
だ か ら 今日は俺とデートしてって言ってんの
一緒にお返し買に行こうぜ」
お返し......"ホワイトデーは貴大が欲しいな"
思い出しちゃった///大胆なこと言っちゃたけど
貴大は覚えてるのかな?
「....何百面相してんだよ」
『な、何でもない!?』
赤くなった顔をパタパタあおぐ
「全く腹立つな...」
『?なにか言った?』
「なんでもねえよ
とにかく着替えたら待ってろよ
あっ、花巻にはこの事言ってあるから心配すんな」