第6章 チョコより甘い物*花巻貴大
~葉月side~
本屋で抱きしめられたとき
"今はダメ"と言った
それを今少し後悔している
『っ...たか、ひろ』
重なる唇から漏れる息
自分の物と思えない甘ったるい声
恥ずかしい...
もう数え切れないほど交わしたキス
なのに全然慣れない
「葉月...もっとする?」
腰を抱いてにこやかに微笑み
私の唇を親指で撫でる
ずるい...なんで貴大はそんなに余裕なの?
貴大は焦ったりする事ないの?
私は心配だよ、だって貴大はモテるから
「俺が目の前にいるのに考え事?
俺だけを見ててよ」
『ん...はぁ、んんっ』
噛みつくようなキスで考えること止めた
今は甘い甘いキスに酔いしれようと
翌朝お弁当を手に貴大の家に向かった
『おはようございます』
「おはよー葉月ちゃん
私はもう行くから貴大の事よろしくね
あっ!あと今日は遅くなるって言っといてくれる?」
『はい。伝えときます
いってらっしゃい!?』
おばさんを見送りよしっ!と気合いを入れた
階段をゆっくり上りそっと扉を開く
ベットにはまだすやすやと眠る貴大
どんな顔するかな?楽しみだな
葉月はなるべく音をたてないように
ゆっくりした動作で布団を捲りベットに上がった
貴大に触れないように体を跨ぎ両手を顔の横につく
まるで押し倒しているような体勢
長い葉月の髪が貴大の頬を掠めると
うっすらと瞳が開いた
『おはよう貴大』
「?....葉月?」
まだ覚醒しきってないのか
目の前の葉月をボーッと見つめた
『朝だよ起きて』
チュッと触れるだけのキスをする
「!!葉月?!
はあ!えぇ!なに、コレ夢!?まだ夢なの!?」
『ふふっ驚いた?
やった大成功🎵』
あたふたする貴大を見れて満足したし
ご飯の準備にキッチンにいこう
『ん?あれ?』
なぜか今私満面の笑みを浮かべた
貴大を見上げている
「寝込み襲うなんて良い度胸してるな」
近づいてくる貴大
瞳を閉じてキスを待つが
貴大は首筋に顔を埋めた
キスしてくれないのと思っていると
ピリッとした痛みが首筋にはしる
"お仕置きだよ"
どういう意味かわからず小首を傾げた