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幻想〘HQ〙

第6章 チョコより甘い物*花巻貴大


部活が終了して家に帰る前に本屋に寄った
色々な料理本をペラペラ捲ってはう~んと唸り
本とにらめっこをしている葉月
きっとお弁当の中身を何にするか
迷っているんだろう


他の男のために悩むなよ
俺だけを見ててほしい


「俺はコレ食べたい」


葉月の頭上から声をかけ
後ろから抱くつくように腕を回した


目の前に本を差し出しあるページを指さす
"簡単絶品シュークリーム!!"


『貴大...私は今お弁当の中身に悩んでるんですけど?』


「え~葉月のデザートも食べたい
それがダメなら......」


葉月を食べていい?
と耳元で囁きパクッと耳朶を甘噛みした


『~~//』


あっ耳まで赤くなった


小さな声で今はダメと言って
恥ずかしそうに後ろを振りかえった


「じゃあ後でな?」


持っている本を置きギュッと抱きしめた


「...おい花巻
本屋でイチャついてんじゃねーよ」


「リア充ムカつく!!」


「葉月ちゃ~ん
及川さんこれ食べたいな~♡」


「勝手に食えば?」


「もう!マッキーじゃなくて及川さんは
葉月ちゃんに言ってんの!?」


大体それパンじゃねーか
葉月はおかずなにがいいかって悩んでんだぞ


「葉月ちゃん俺、チーズinハンバーグが良い」


「俺は揚げ出し豆腐」


『ハンバーグは良いとして
揚げ出し豆腐はお弁当に向かないかな~』


「んじゃ唐揚げでいいわ」


『ん、分かった
やっぱ男の子はお肉がいいのか』


フムフムと頷き肉料理を吟味し始め
暫くして、よしっ!と勢いよく本を閉じた


『貴大明日買い物付き合ってね』


「りょ~か~い。じゃあ帰るか」


「葉月ちゃん及川さんの
リクエストは聞いてくんないの?!」


「うっせぇーぞクソ川!?」


「葉月ちゃん楽しみにしてるからな~」


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