第6章 チョコより甘い物*花巻貴大
「葉月ーお昼食べに屋上行こう」
お昼を知らせるチャイムが鳴ると同時に
席を立ち葉月を誘いにきた
嬉しそうに微笑んでお弁当片手に
ちょこちょこ走り寄ってくる
葉月が持っているお弁当をさりげなく持ち
かわりに手を握るとほのかに頬を染める
「ちょっとマッキー及川さんのこと忘れてない?!」
「ここで何してんの及川?」
「及川さんは葉月ちゃんと
同じクラスなんだからね!」
『ごめんね及川一緒に行こうか?』
「うわぁ~いいね今の上目遣い♡」
「葉月及川を見るな穢れる」
『分かったもう見ないサヨナラ及川』
「え!?ゴメンもうしません一緒に行かせて下さい!!」
屋上に着くとすでに岩泉と松川はお弁当を広げていた
「おせえぞクソ川!」
「どうせまた及川がなんかしたんだろ」
『及川がウザイ』
「酷っみんな俺に冷たすぎる!?」
いじける及川を無視してお弁当の包みを外す
「葉月今日のお弁当のおかずはなに?」
『今日はね~』
「旨っ!なにコレ旨過ぎだろ!?」
「あっ!松川オマエなにかってに取ってだよ!?」
お弁当箱の蓋を開けるとすぐに横から手が伸びて来て
卵焼きを摘んでパクッと食べられた
「葉月ちゃん俺にもお弁当作ってくんねぇ?」
「葉月のお菓子もうまいんだぞ?」
「知ってるバレンタインのチョコ旨かったよな~」
『ありがとう
学校が休みの土曜日で良かったら作るよ?』
いいかな?と申し訳なさそうに花巻を見た
「いいよ」
葉月の作る物を他の男が食べるのは
本当は嫌だけどこいつ等にはカリもあるしな
「わぁ~やった~葉月ちゃんのご飯♡」
「お前は食うな及川」
「え!?なんで!!?」
「楽しみだな~岩泉」
「ああ、良かったな」