第5章 アナタまでの距離*国見英
~葉月side~
個室に帰ると机の上にあるトレーを見て
"こんなに食べれるんですか?"
と国見が呆れた声で言われた
う~ん、美味しい🎵
ぱくぱく食べている私に対して
前に座っている国見は紅茶を飲んでいるだけ
『く...英は食べないの?』
「葉月の食べる姿見てるだけでお腹いっぱい」
英の為にケーキ1個取って来たけど食べてくれるかな?
そんな事を考えながら食べていると
国見が腰を上げた
ん?お手洗いかな?
『!?な、なっ!』
い、いま舐めた!?
えっ何どうしたの?!
『んぐっ.......美味しい!!!』
パニックなっている間にフォークを奪われ
口にケーキをおしこまれた
甘いケーキに思わず頬が緩んだ
フォークを返してもらえず
ケーキの誘惑に負けて
国見の次を催促した
『あっそのケーキは...』
キャラメルが好きだと金田一に聞いて一つとって来た
『食べてくれる?』
「じゃあ今度は葉月が食べさせて?」
......食べさせて?
『え!?私が!!!』
「うん、葉月にいっぱい食べさせてあげたから
手が疲れた、それにこれは俺に持って来てくれたんでしょ?」
そ、そうだよね
これは私が英の為に持って来たケーキだし
差し出されたフォークを受け取りケーキを掬った
『は、はい...アーンして?』
ううっ食べさせてもらうのも恥ずかしかったけど
反対も恥ずかしい......
「ん、美味しい」
差し出したケーキをパクリと食べた
時間を置くと恥ずかしさで手が止まるので
次々に掬いケーキを国見の口に運んだ