第5章 アナタまでの距離*国見英
~葉月side~
今私の頭の中はパニックだった
その訳は遡ること数分前のこと
『国見君今日も良い?』
「良いですよ」
国見と一緒に行けるのが嬉しくて
ニコニコしながらボトルを洗っていた
「葉月ちゃん
国見のこと好きなの?」
松川のこの質問が引き金になり
自分の中にある気持ちに気づいた
『え、や、あの』
「あれ、違うの?」
『いえ、違わないこともない
こともないような...』
「どっちだよそれ」
目の前で豪快に笑う松川
どっちと言われてもわかんないよ!
一緒に出掛けるのは楽しい
でもそれは自分が好きなスイーツを食べるため
じゃあ誰でも良い?そうじゃない....
そして冒頭に戻る
考えすぎて頭の中がパニックを起こしたのだった
「俺は応援してるから
頑張れよ🎵」
『ありがとうございます?』
洗ったボトルを片付け着替えて校門で国見を待った
『国見く~ん』
国見の姿を確認してぶんぶん手を振った
「山城先輩お待たせしました」
『だいじょ~ぶ待ってないよ
今日もよろしくね彼氏さん♡』
さっき松川に言われたことを思いだし
なんとなく"彼氏"と言ってみた
「...彼女なら俺の名前で呼んでください」
まさか名前呼びを希望された!?
『えっ?そ、そうだね
じゃあ行こうか....英』
「ハイ行きましょうか葉月」
笑顔で名前呼び....
もう私あなたに撃沈です