第5章 アナタまでの距離*国見英
~葉月side~
2年に進級しバレー部には新たに1年生が入部してきた
その中に"彼"は居た
「ボゲェ国見!?今サボっただろ!!?」
いつも無表情で無気力な彼は
よくコーチの溝口君に怒鳴られていた
練習試合でもみんなが全力で取り組むなか
最小限の動きをする
バレー嫌いなのかな?
嫌いなら部活に入らないよね
気になってついつい目で追いかけていた
『帰りちょっと付き合ってくれる?』
ある日の部活終了後に秀に声をかけた
「なになに葉月ちゃん矢巾とデート?
矢巾じゃな無くて及川さんとデートしようよ♡」
あっ面倒な事になっちゃった...
秀絡まれたし代わりに渡を誘おう
『ねえ渡、秀の代わりに
ちょっと付き合ってくれる?』
「良いよ」
及川に見つからないように
こっそり体育館を出ていった
「ところでどこ行くんだ?」
『スイーツ食べに🎵』
「俺パスで」
『ええ!!?』
「ごめん甘い物は苦手で」
『じゃあしょうがないか
あーせっかく食べるれって思ったのに』
「悪い代わりじゃないけど家まで送るよ」
ガックリ肩を落として仕方なく
渡に家に送ってもらった
次の日今日こそはと秀に声をかけようと
キョロキョロ辺りを探すが
また及川さんに絡まれてるし...
ふと視界に国見が映った
そう言えば国見君は
キャラメルが好きだって聞いたことある
と言うことは甘いものも食べるかも
『国見君』
「どうかしましたか山城先輩」
『ちょっとお願いがあるんだけどいいかな?』
訳を話すと無表情の彼はオッケイしてくれた
やったー今日こそスイーツ食べれる🎵
その日からほぼ毎日国見と一緒に
スイーツを堪能していた