第5章 アナタまでの距離*国見英
『国見く~ん
ねねっ、今日も付き合ってね♡』
「ハイよろこんで」
あの日からほぼ毎日の様に葉月さんに誘われて
あの店で、至近距離で、二人だけで
スイーツを満喫している
「なになに今の会話?」
「まさか国見ちゃん葉月ちゃんと付き合ってるの!!?」
付き合う?
「そうですね付き合ってますよ」
スイーツ店にですけどね
「「「ええーーっ!?」」」
『国見く~ん着替えたら校門まで来てね♡
じゃあみんなお疲れ様~』
「ではお疲れさまでした」
「ちょっと待ったーー!!」
騒ぐ及川たちの横を通り抜けようとしたが腕を掴まれた
「はぁ...なんですか及川さん」
「「何ですか」じゃないよ国見ちゃん!
どう言う事なの!?」
「どう言うってそのままの意味ですよ」
「マジか....」
「そんな~及川さんの葉月ちゃんが
こんな無気力に獲られるなんて...」
「お前のじゃねえ!!?」
「そ~かついに付き合ったか」
ん?ついに...?
「良かったな~国見」
「ありがとうございます?」
「及川さんは認めないんだからね!?」
「お前が認めなくても別に関係ねーべ?」
「そうそう葉月ちゃんが
国見を好きだって言ってんだ諦めろ」
え...?好き?葉月さんが俺を?
「葉月ちゃん待ってんだろ?
早く行ってやれよ」
「あっハイお疲れ様でした」
混乱した頭を整理しながら部室で着替え
葉月が待っている校門へと急いだ
『国見く~ん』
にこにこ微笑みながらぶんぶん手を振っている
「山城先輩お待たせしました」
『だいじょ~ぶ待ってないよ
今日もよろしくね彼氏さん♡』
「...彼女なら俺の名前で呼んでください」
『えっ?そ、そうだね
じゃあ行こうか....英』
「ハイ行きましょうか葉月」
ニコっと微笑めば葉月の顔がほんのり赤く色づいた