第5章 アナタまでの距離*国見英
誕生日プレゼント何にしよう...
ボールが飛び交う部活中
走れば間に合うボールを無視し
考え事をしていた
「国見ボケェ!今サボっただろ!!?」
チッバレたか
俺は省エネで活動してるんですよ
「ダメだよ国見ちゃん
溝口君に分かんないようにサボんないとね」
部活が終わり自主練に入ったところで
及川に声をかけられた
「気を付けます」
はぁ~めんどくさい
『国見君』
「どうかしましたか山城先輩」
『ちょっとお願いがあるんだけどいいかな?』
「何ですか?」
『本当は秀に頼もうと思ったんだけど
及川さんに捕まってるから
かわりに国見君が付き合ってくれる?』
「ハイ俺で良ければ」
着替えたら校門で待ってるねと笑顔で別れた
急いで着替えて校門へと向かうと
制服に身を包んだ葉月が
こっちに向かって手を振っている
「お待たせしました」
『じゃあ行こうか』
「ハイ」
何処に行くんだ?
行き先を聞いていないが
にこにこ楽しそうにする葉月をみて
まあいいか
と無表情で隣を歩いた
『ここ!ここに来たかったの🎵』
じゃーんと効果音が付きそうに紹介をした
「ここですか?」
『そう!ここのね"カップル限定スイーツ"
ど~しても食べたくて』
「カップル限定のスイーツ?」
『そう!彼氏がいなきゃ食べれないの!!』
「......」
彼氏......俺が?
『ね、お願い♡』
「ええ良いですよ
食べましょうか"カップル限定スイーツ"」
ウキウキとお店のドアを開く
「いらっしゃいませ~
2名様ですか?」
『はい
カップルシートでお願いします🎵』
は?カップルシートって何だ
案内されたのは小さな個室
ソファーには赤いハートのクッション
「こちらへどうぞ~
お決まりになられましたら
ボタンを押してください」
葉月は店員が下がって行くと
メニューを開き吟味を始めた
なにここ近いんですけど...
『ねね、どれにする?
私はね、これ』
「俺はこれがイイデス」
混乱しながらもしっかりと自分が好きなものを選んだ