第5章 アナタまでの距離*国見英
俺には好きな人がいるその人は...
『秀ー』
「どうした葉月?」
『帰りちょっと付き合ってくれる?』
「なになに葉月ちゃん矢巾とデート?
矢巾じゃな無くて及川さんとデートしようよ♡」
「えーっ!?
ちょっ及川さん誘われたのは俺ですよ!」
「そうそう及川はすっこんでろ
さ~葉月ちゃん俺と一緒に行こうか♡」
「はあ!?葉月は...」
「ずりぃーぞ花巻!俺も行く!?」
「ですから葉月は俺と...」
「いい加減にしろ!!
葉月はお前らを誘ってねえだろうが!!?」
「そうですよね岩泉さん!」
「全員で行きゃいいだろ?」
「岩泉さん....」
救世主が現れ喜んでいた矢巾だったが
岩泉の言葉にガックリ肩を落とした
「あれ~葉月ちゃんは?」
「山城先輩なら渡さんと帰りましたよ」
「「「「ええーーっ!!?」」」」
「もー!みんなが邪魔するからだよっ!!
国見ちゃんも気づいてたんなら声かけてよね!?」
「スミマセーン」
「もう!全然気持ちこもってないよ!?」
「俺もう帰りますんで
お疲れデス」
及川の声を無視して荷物を取りに部室へと向かった
はあ...何で葉月さんはこんなにモテるんですか?
すらっと背が高くモデル並みのプロポーション
癖の無い長い黒髪に目元の泣き黒子が色っぽい
どうやったら俺に振り向いてくれるんですか?
「ねえねえ岩ちゃん」
「あ?なんだ及川」
荷物を持って体育館横を通過していると
3年生4人の話声が聞こえて来た
「もうすぐ葉月ちゃんの誕生日でしょ?」
「ああそういやそうだな」
「及川さん誕プレに告白しようかな♡」
「やめとけ振られるだけだ」
「そうだぞ及川
葉月ちゃんはお前みたいなの好きじゃねえよ」
「むしろ正反対で嫌いだろ」
「酷っ!!いいもん
プレゼントは渡すもんね!?」
誕生日か...俺も何か買いに行こう