第1章 彼女は王様の妹*及川徹
~影山side~
待ち合わせ場所で待っていると
葉月は及川さんや岩泉さん達と
一緒にやって来た
「遅いぞ葉月」
名前を呼んだら"ゴメン"と謝って来た
及川さん達の事は後回しで話しを進めていると
いきなり叫び出した
葉月と同じタイミングで
同じ言葉を発すれば
花巻さんと松川さんに"凄いなっ"と言われてしまった
何が"凄い"んだ?さっぱりわからない...
「"凄いな"じゃなーい!!
どういう事葉月ちゃん!
及川さんのお誘いは断るのに
なんでトビオちゃんとデートなんてするの!?」
葉月は俺の妹なんだが
及川さんもしかして勘違いしてんのか?
「すみません及川さん葉月は俺の...」
"妹です"と言おうとしたら
"聞かない!聞こえない!聞きたくない"と遮られた
何だやっぱり知ってるのか
じゃあ何でこんなに煩く騒いでんだ?
きゃんきゃん吠える及川を眺めていると
花巻に声をかけられた
「影山って葉月ちゃんと
同じ苗字だけど親戚かなんかなのか?」
「葉月から何も聞いてないんですか?
俺達双子で葉月は俺の妹です」
「「「......はあ!?」」」
「マジ?」
「ハイ」
「おい影山おもしれぇーから
この事及川に言うなよ」
「それいいな!」
「?俺は別に良いですけど...」
悪りぃ葉月
なんか面倒なことになったかも知れねえ
悪い顔で微笑む3人を見て心の中で葉月に謝った