第4章 甘い物にはご用心*花巻貴大
勢いで部屋まで連れてきたけど
どうしたもんかな...
横を見るとちょっこんと座る葉月がいる
じーっと見つめていると目があった
しかしすぐに目を逸らされた
「話ってなに?」
目を合わせない葉月にイラつき
トーンが低くなった
『え!あ、の...ね
今日はバレンタインデー、でしょ?』
「ああそうだな」
『だ、だから...こ、告白を...』
「ふーん...で、及川に告白したと」
『えっ違う!
及川なんかに告白してない!?』
何言ってんだ?確かに見たぞ
顔を赤らめてたじゃねーか!
「それじゃあ昼の"あれ"はどう言う事だよ」
『昼のあれ??』
葉月は意味が解らないと言うように小首を傾げた
「及川が言ったんだよ
"葉月は甘い"ってな」
『あ、甘い!!』
ボッと一瞬で葉月の顔を真っ赤に染めた
なんだよその反応は
「なあ甘いってなに?」
『え!そ、それは...』
「それは?」
『...き』
グイッと引っ張られ唇に柔らかい感触が振れた
「え?」
『"バレンタインのキスは甘い"って言われたの///』
...甘い??
葉月のキスが...?
「はあーー!!ちょっと待て
なんで及川がそんな事知ってんの?!
及川とキスしたのか?!
及川なんかやめて俺にしろよ!
及川より葉月のこと好きだぞ!!
葉月にキスしていいのは俺だけだ!!?」
『ええーと落ち着いて貴大?
私キスした事無いよ
今のがはじめてだよ?』
はじめて....?
及川の奴に騙されたーーっ!!?
明日覚えてろよ
『...貴大』
「?」
『好きだよ貴大』
あれ...
『ねえ貴大は?貴大は私のこと好き』
これはいつか見た夢と同じ??
「俺だって葉月が好きだ
小さい頃からずっと
葉月だけを見て来た」
『嬉しい大好きだよ貴大』
「俺も葉月が好きだよ」
ふんわり笑う葉月に今度は貴大からキスをした