第4章 甘い物にはご用心*花巻貴大
朝練が終了しても葉月は俺の方を見ないし
いつも一緒に教室まで行くのだが
今日はなぜかその役目を及川に獲られた
しゃーない昼にでも会いに行ってみるか
午前中の授業は上の空で聞き流し昼休憩を待った
チャイムが鳴り昼休憩になった
ガタンと椅子を鳴らして立ち上がると廊下に走り出た
「おーい花巻」
「なんだよ松川!?」
今は1分でも早く葉月に会いに行きたいんだよ!
「お前が会いたい葉月ちゃんだけどな~
及川に連れ去られたぞ」
「?!どういう事だよ松川!!」
「なんかな~及川に葉月ちゃんが告白?
するんだってさ~」
はああ!!?マジありえねえだろっ!
相手は及川だぞ?!
「どこ?!」
「何が?」
「告白の場所だよ!!」
~松川side~
アイツ血相変えて走ってったぞ
「何やってんだ?」
「おー岩泉これから面白れぇ―ことおきるぞ」
葉月の為に及川に協力を頼んだ
「花巻がどう出るか楽しみだな~🎵」
「お前はそれでいいのかよ」
は?
「バレてないと思ってんのか?
お前葉月のこと好きだろ」
「.....良いんだよ
葉月ちゃんが好きなのは
俺じゃなくて花巻だからな
葉月ちゃんが幸せならそれでいい」
俺ってなんて健気なんだ
「よしっ!岩泉一緒に見に行くぞ!
そんでもし!もしだぞ?!
葉月ちゃんが花巻に振られるようなことがあれば
傷心の葉月ちゃんを慰めて俺のものに...いてっ!」
「及川みてぇーなこと言ってんじゃんねー」
いつも及川を殴ってる半分の力も入ってねーぞ
はあ~ほんとに俺にチャンス巡ってこね~かな?