第4章 甘い物にはご用心*花巻貴大
~葉月side~
おばさんに頼まれて貴大を起こしに来た
朝食の準備を終えて2階に上がり扉を開く
まだすやすやと夢を見ているらしい
そっと近づき顔を覗き込む
嬉しそうに微笑んでいる寝顔
何の夢見てるの?
楽しそうだがそろそろ起こさないと部活に遅刻する
『たか...』
「....好きだ」
『え?』
すき?今すきって言った?
「...葉月...好きだよ」
ボッと顔が赤くなった
ええーっ好き?!
私も貴大が好きだけど
そんなイキナリ告白されても困る
って言うか本人は寝てるし
と、とりあえず遅刻しちゃうから起こさないと...
『起きて貴大!遅刻しちゃうよ!?』
「ふあ~おはよう葉月
あれっ母さんは?」
『おばさん今日も早くに出掛けるって言ってたでしょ?
着替えて降りて来てよご飯冷めちゃうでしょ!』
りょう~か~いと言う声を背中で聞きながら
バタンッと扉を閉め火照る顔を仰ぎながら階段を駆け下りた
はあ~びっくりした普通に出来たかな...?
『よしっ朝ご飯作ろう!』
暫くすると貴大が荷物を持って降りて来た
平常心平常心!!
出来たばかりのご飯をお皿に乗せ
貴大の前にドンッと置いた
力入り過ぎたっ
「今日の朝ご飯も葉月が作ったの?」
『不味くても文句は受け付けませーん
早く食べてよね部活遅れるよ!』
クルッと後ろを向き胸を抑える
ダメだ心臓が爆発しそう...
食べ終わり貴大が歯を磨いている間に食器を洗う
落ち着け私!あれは寝言あれは寝言....
一人でぶつぶつ呟きながら黙々を洗い物をすませた
学校までの道のりが今日はやけに遠く感じた
朝練中、空のボトルを回収していると視線を感じ
ふと顔を上げる
『!?』
な、なに!何でこっち見てんの!!
早くここから避難しないと
思いっきり顔を逸らし
ボトルを抱え体育館の外に小走りに走って行った