第2章 名前を呼んで*黒尾鉄朗
テーマパークに到着したが
木兎が寝坊したこともあり
時刻は11時半を過ぎ
もう昼御飯の時間だ
「たくっ木兎のせいでもう昼じゃねえかよ」
『でも、ご飯食べる人が多い時間だから
アトラクション空いてるかも』
「なるほどな!
んじゃ、葉月今のうちに1番人気の
アトラクションに行こうぜ!?」
『あの、手離して下さい...』
「え~だって逸れちゃうと大変じゃん
なあ黒尾君?」
「...そうだな」
木兎のやつ嬉しそうにしやがって
葉月に触れていいのは俺だけだぞ
「鉄朗センパ~イ
私と手つなぎましょ~♡」
「ああ」
木兎が言う1番人気のアトラクションは
テーマパークの中央にあった
『こ、これに乗るんです、か?』
「そう!ここで1番の絶叫アトラクションだ!?
一緒に乗ろうなすっげー楽しいぞ!」
うわぁ...木兎ありえねえだろ
女にこれを進めるか?
葉月の顔見ろ真っ青じゃねえか
「木兎さん馬鹿でしょう
女性にこれはむ『がんばります...』
いやいやいや頑張るって言ってる顔が
"ムリです"って顔してんぞ
「すっご~い山城センパイ
わたしはむり~こんなの乗れませ~ん
鉄朗センパ~イ別の乗り物に乗りましょ~」
「は?何言ってんの遥ちゃん
こいつ等を置いてく訳にはいかねえだろ」
「黒尾さん、葉月さんには
俺がついてますから大丈夫ですよ」
「いいって言ってるし~
二人で楽しみましょ~
ねっ鉄朗センパイ♡」
赤葦がそう言うならしゃーねえな
「木兎!
葉月を泣かせるなよ
泣かせたらどうなるか分かってんよな?」
『え?』
「行くぞ九条!」
「えっちょっセンパイ!」
くそっ何でこんなにイライラするんだ
「センパイ、鉄朗センパイ!」
「あ゛?」
「!あ、アトラクションは?
一緒に乗りましょう!」
「いい、九条お前一人で行って来い」
「え?!先輩なまえ...」
「悪りぃけど今話しかけんな」
「......山城葉月
アイツが居るから鉄朗先輩が
ちゃんと私を見てくれない
許せない!」