第2章 名前を呼んで*黒尾鉄朗
~葉月side~
「山城ちゃーん」
「こんにちは山城さん」
『こ、こんにちは...』
最近やたらとやって来る二人
最初は鉄朗に用事かと思っていたが
真っ直ぐ私の所に走り寄ってくる
「なあなあ今度一緒に遊びにいかない?」
『え?二人でですか?』
「木兎さんと二人が嫌なら
俺も一緒に行きますよ?」
『でも.....』
「それじゃ~
私たちとダブルデートしませんか~」
「遥ちゃん何言ってんの?
俺は木兎なんかと遊びたくないんですけど」
「そうしましょう
5人で遊びに行きましょう
ね山城さん」
「イヤ、俺の話し聞いてる赤葦君」
鉄朗も行くなら行こうかな...
でも九条さんも一緒なんだ
「そんじゃあ日曜日の朝9時
駅前に集合な!?」
「は~い
楽しみですね~鉄朗センパ~イ🎵」
「はあ~分かった仕方ねえなあ
山城もそれで良いな」
『わかりました黒尾先輩』
「この間から気になってたんですが
なぜ"山城"と"黒尾先輩"なんですか?
二人は名前を呼んでいたと記憶しているんですが」
『それは...』
「私がセンパイたちに"名前呼ばないで"って
おねがいしたんです~
だって~自分の彼氏が"ただの幼馴染"に
名前呼ばれるなんて嫌なんですも~ん」
「......」
「山城さん」
『はい』
「俺はまだ彼氏じゃありませんけど
葉月さんって呼んでも良いですか?」
『えっ...?』
「あー狡いぞ赤葦!!
俺も葉月って呼び捨てにしていい?!」
名前...私が名前を呼んで欲しいのは鉄朗にだけ
「木兎も赤葦も
山城を困らせんなよ」
でも貴方は呼んでくれないんだね