第2章 名前を呼んで*黒尾鉄朗
~葉月side~
鉄朗が九条さんと付き合いだして間もなく
私は彼女に呼び出された
「山城先輩って
鉄朗先輩の何なんですか?」
『鉄朗とは幼馴染...』
「"鉄朗"って呼ぶのやめて下さい!
先輩はもう私も彼氏なんです
先輩を名前で呼んでいいのは
彼女である私だけなんだから
"ただの幼馴染"のクセに名前で呼ばないで!?」
何でそんなこと言われなきゃいけないの?
鉄朗の右側は私の居場所だった
アナタは私の居場所を奪っただけでなく
名前も奪うの?
「葉月」
『研磨...』
「何やってんのこんな所で」
「なんでも無いです~
それじゃあ~センパイお願いしますね~」
『....わかった』
名前どうしよう...
黒尾って呼ぶ?
でもそれだと"呼び捨てにしないで!"
って言われそうだし...
『黒尾先輩かな』
「は?」
あっ声に出てた
『ごめん何でもない』
「そう何かあったら俺に言ってね」
それから鉄朗の事を"黒尾先輩"と呼んでいる
「鉄朗センパ~イがんばってくださ~い♡」
また今日も来てる...
「山城先輩聞いてますか?」
『えっと...ごめん何か用かな灰羽君?』
「それですよそれー!」
それってどれ?
「他人行儀なんですよ先輩
"リエーフ"って名前で呼んでください!」
『なまえ...』
「ハイ!!それで山城先輩の事
葉月さんって呼ばせてほしいです!?」
キラキラした笑顔で言われて断り切れず
小さく頷くと満面の笑みで大喜びし
夜久さんのレシーブ練習に戻って行った