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幻想〘HQ〙

第2章 名前を呼んで*黒尾鉄朗


「センパ~イ
鉄朗センパ~イ」


「どうした九条?」


「も~遥って呼んでくださいよ~」


告白され付き合いだしてひと月
まあ顔は可愛いしちょうど誰とも
付き合ってねえからOKしたんだが


「でどうしたんだ?」


「今日も~一緒に帰りましょ~
わたし彼女だしいいでしょ~?」


この語尾を伸ばして喋るのどうにかなんねえのか?


「今日も部活がある
終わるまで待っていられるのか?」


「もちろんです~
終わるの大人しく待ってます~♡」


最近では体育館でバレーを見ていることが多い


「クロ」


「あ?なんだ研磨」


「"あれ"が居ると虎が動き悪いんだけど
どうにかなんないの?」


研磨君人の彼女を"あれ"呼ばわりってどうよ


「まあ女になれる練習って事で
多めに見てくれ」


「葉月が居れば十分だと思う」


葉月ねえ~
そういや最近葉月がやけによそよそしい
ついこの間まで"鉄朗"って呼んでたのに
急に"黒尾先輩"になったよな何でだ?


「山城先輩!
どうでした今のレシーブ!?」


『上手だったよ』


「やった~山城先輩に褒められた🎵」


「リエーフ調子に乗るな!
山城は優しいから
ド下手なお前に情けかけてんだよ!」


「夜久さん山城先輩が
オレを褒めたからって僻まないで下さいよ~
背が小さいからって器も小さ...痛゛ー!?」


リエーフよやっくんに身長の話しは禁句だぞ


「何やってんだか...葉月!」


『....何ですか黒尾先輩』


「悪りぃけど今日も研磨と
二人で帰ってくれるか?」


『分かりました
私片づけがありますから
失礼します』


やっぱ俺の名前呼ばねえし
何でそんな敬語で喋るんだよ


「鉄朗センパ~イ
おねがいきてくれますか~?」


「ん?なに」


「わたし以外の女を名前で
呼んでほしくないんです~」


は??


「だから~山城センパイのこと
名前で呼ばないでくださいね?」


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