第12章 初めての記念日
陽斗side
「こちら、俺の会社の社長で雄一さん。こちらの彼女は俺の同居人の瑠李さんです。」
俺はお互いに相手の素性を隠しているので無難に紹介した
「はじめまして。瑠李ちゃん。いつもごめんね、卵焼き作ってもらって。とっても美味しくてね癖になったよw」
「いえ・・・気に入ってもらって・・・・・よかったです。また・・・・良かったら・・・・食べて・・・・・ください。」
「それはありがたいなwいいなぁ、陽斗は毎日こんな美味しいご飯食べれて・・・」
社長の話を聞きつつるぅは微妙に俺の後ろに隠れようとしている
俺は小声で話しかける
「るぅ、大丈夫か?無理なら違うとこにいてもいいぞ?」
「大丈夫だよ。。ハルさんと一緒にいて頑張るって決めたから。」
その後は社長と二人で酒を呑んでいたので、るぅはおつまみを用意したり、氷を用意したりとキッチンとリビングを往復していた
ローテーブルにお皿を並べるるぅの手はわずかに震えていた
日付が変わる頃・・・・かなりいいご気分になった社長が帰ると言い出したので
お抱えの運転手を呼んだw
社長が帰ってソファーに座った俺は一息ついた
そこへるぅがお水を持って来た
「お疲れ様でした。ハルさんw」
俺の横に座ったるぅが労ってくれた
「るぅもだろ?俺よりるぅの方が疲れたんじゃないのか?」
「ううん。思ってたより大丈夫だったよ。」
そう言いながらも膝の上では左手で右手を握っている
俺は片手でその手を握り反対側の手で後頭部を抱き寄せた
「嘘はいいよ。手が震えてただろ?」
「見てたの?ハルさん。」
「あぁ、無理したんだな。ごめんな。疲れさせたな。」
「ううん大丈夫だよ。ありがとう。」
嫌がると思いきや、大人しく抱きしめられている彼女
安心しているのか目を瞑って胸元にもたれ掛かっている
俺も俺で彼女を抱きしめると心地が良く
癒やされる気がする
助けられてるのは俺の方だな・・・・・
そんな風に考えていた