第31章 ・・・それは祭の後に
俺はその話を聞いて言葉を失った
「もちろん、その窃盗犯の首謀者は三嶋でも、例のバカな女でもない。」
「だったら、誰なんだ?」
「明智サービスの秘書、明智穂奈美。」
「・・・・・・・・・・。」
「ターゲットはさっきも言ったように、彼女、瑠李ちゃんだ。理由はわかってるよな?誘拐して、彼女をお前から引き離し、しばらく監禁する予定だったそうだ。」
「何で失敗したんだ?」
「そりゃあ、誰かさんがべったり張り付いてるし、誰かさんが居ない時は、そりゃもう優秀なSPがいらっしゃいますからねw」
「早川さんは知ってるのか?」
「もちろんだ。窃盗の通報をくれたのも彼だからな。いやぁ、彼は本当に優秀だ。是非うちに欲しい人材だなw」
「早川さんが居ないと、九条家のまとめ役がいなくなるw」
「そりゃ大事だなw明智穂奈美に気をつけろよ。あの女もやべぇぞ。」
「もうすでに被害は出ている。あの女のせいで、るぅは一度家出をしている。社長にも釘は刺しておいたんだが、伝わらない親子のようだwだからといって今は業務提携もしているだけになんとも・・・。」
「そんなの雅人に言えば・・・・」
俺は無言で秀樹さんを見た
「あぁ、すまない。俺が失言したw」
「気が付いてもらえて何よりだw」
食事を終え、早々に帰宅しようと帰り支度を始めた俺に
秀樹さんが言った
「そんなに急いで帰るのか?」
「話が終わったなら、もういいだろ。」
「そういえば・・この前桜月が、うちの署の若い女の子にお前の写真を見せまくっていたぞw」
秀樹さんの言った意味が一瞬わからなくて変な声を出した
「は!?なんだそれ!?」
「弟なのよ、26歳なんだけど、彼女も居なくてさぁ、いい娘居ないかなと思ってってw」
「全力で遠慮する。桜月の紹介は本気で良い事がない!」
「それが俺に出来ると思うか?彼女の存在も隠しているのに。言ったら言ったで家に押しかけるぞwちなみに那智には口止めしてある。男同士の約束としてw」
「そうか・・・。」
「せめてお義母さんには言ったらどうだ?」
「そのうちにと考えている。るぅが不安がっている今は無理だ。」
「いつからお前はそんなに甘くなったんだ?w」
「そうか?」
「無自覚・・・。」