第31章 ・・・それは祭の後に
彼女にも聞かれないほうがいいという話
それは俺の事なのか・・・・
彼女のことなのか・・・・・
ただ、簡単に予測がつくのは良い話ではない事だ
晩ごはんを食べながら俺は彼女の事を見ていた
「明日だけど・・・秀樹さんと食事してくるから晩ごはん要らないよ。」
「うん。さっきの電話でしょ?わかった。1人で食べるよ。」
「なるべく早めに帰るからな。」
「うん。無理はしないでね。」
「あぁ、わかったよ。そういえば、もうすぐ学校始まるな。それまでにどこか遊びに行くか?」
「えぇ、別にいいよ。とくに行きたい所もないしw」
「土日に一泊で行くか?」
「もうwいいってばww」
顔を少し赤らめながら言う彼女
どんなしぐさや表情も俺にとって愛しさが増す要素しかない
「金曜日の夜に、出るから用意しておけよw」
「もうw何でよww」
「俺がるぅと出かけたいからw」
顔を真っ赤にさせてほっぺを膨らます彼女はまるで少女の様だ
いつもの時間にベットに入り、明日の会議の資料に目を通していた
そこへお風呂上がりの彼女が部屋に入って来た
そしていつものようにベットに入り込み、ぴったりとくっついてきた
「甘えん坊がいるw」
「聞こえなーいw」
「クックックwそうかw都合の良い耳をしてるんだなw」
しばらくすると巻き付いていた腕の力が緩んだので
彼女を見ると眠っていた
俺は彼女を抱きかかえ直し、きちんと寝かせた
「おやすみ。愛しいお姫様。」
そう言い、彼女の柔らかい唇にそっと唇を重ねた
資料を読み終わった俺も布団に潜り込み
彼女をしっかりと抱き締めながら眠りについた
翌日の夜になり俺は秀樹さんの待ち合わせ場所に向かった
「話って何だ?」
「先日、窃盗で捕まった馬鹿者・・じゃなかった若者が3名いたんだがな、そいつらが気になる事を言ってた。」
「気になる事?」
「その窃盗をしたのは、その前にやろうとしてた事が失敗したからだというんだ。」
「やろうとしてた事ってなんだ?」
「誘拐だ。お金目当てのな。」
「金目当て?」
「あぁ、しかも身代金ではなく、誘拐の依頼者からの報奨金だそうだ。」
「何で、そんな話を俺に?」
「そのターゲットが彼女だからだ。」