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I cannot part with you

第31章 ・・・それは祭の後に


結局その日、彼女は何をするのも俺から離れず


俺から手を離したのは彼女が熟睡してからだった


彼女の様子に安心した俺もいつのまにか眠っていた


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瑠李side


夜中にお腹の痛さに目が覚めた


横を見るとハルさんは熟睡しているようだった


私はそっとリビングに向かいホットミルクを用意して


ソファーに座り込んだ


テーブルの上には郵便物が溜まっていた


その中に私宛の郵便物を見つけた


私はそれを開封した


そこには信じられないものが入っていた


私がお姉ちゃんと出かけた時の写真だったり


ハルさんとマンションへの出入りをしている姿だったり


いくつもの盗撮の類だった


だけど共通するのは


私の顔の部分にだけ傷が沢山入れられて原型がない程だった


私は怖くなり身体が震えだした


(何でこんな・・・一体誰が?・・・まさかあの人なの?)


体の震えと共に涙が溢れて止まらなかった


ハルさんの側にいたいだけなのに


あの人は何でここまで邪魔するの・・・・


ソファーに蹲って泣いているとハルさんが起きてきた


「るぅ、どうしたんだ?気分でも悪いのか?」


「は・・・ハルさん・・・・・。」


「どうした!?何があったんだ?どこか痛いのか!?」


焦ったように話しかけるハルさんに


握っていた手紙を見られた


「これが原因か?怖かっただろう?もういいよ。大丈夫だ。俺が守ってやるからな。るぅは俺の傍にずっといればいいんだからな。」


そう言いながらハルさんは抱き締めてくれて


背中を撫でてくれた


そっとハルさんの顔を見ると怒っている様に見えた


「ハルさん・・・勝手に・・・どこにも行かないから・・・・怒らないで・・・・。」


気が付くとそんな風に喋っていた


それを見たハルさんが


「フッwるぅに怒ってるんじゃないよ。相手に怒ってるんだ。俺達に近付くなって忠告したんだけどな・・・。伝わらなかったんだと思ってな。」


私はハルさんをまっすぐ見つめていた


「大丈夫。るぅの事は信じてるから。」


「ハルさん・・・・・。」


「約束したもんな。どこにも行かないって。勝手に出て行かないってな。」


「うん。」


私は不安を掻き消すように力強く握っていた
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