第29章 ・・・・・家族
瑠李side
お姉ちゃんと雅人さんとハルさんと4人で
珍しく雅人さんの運転でパパとママのお墓参りに向かった
パパとママのお墓は車で2時間程走った所で
自然の多い丘の上に立っている
この場所は来る度に切なくなる気がする
4人でお墓の掃除をして、お花を供えて
線香をたてて、手を合わせた
パパとママの目線に立って、景色を見下ろす
その時ふわっと風が吹き抜けた
山だけあって真夏にも関わらず涼しく感じる
あの頃から伸ばし始めた髪の毛は今は腰の近くまである
ママの髪が・・・・・長くて綺麗だったから憧れた
お姉ちゃんも伸ばして今は腰の下まである
大人で美人なお姉ちゃんは長い髪もとても似合っている
私はどうなんだろう・・・・・
お気に入りのシュシュで顔の横で纏めた髪を指に絡めた
俯きかけた時・・・・・優しく頭に触れる手があった
顔を上げるとハルさんが頭を撫でてくれた
「・・・ハルさん?」
「るぅも似合ってるよ。長い髪。」
「え?なんで??」
「フッw最近、るぅの考えている事がわかるようになったw」
「え?どうして??」
「・・・・内緒w」
「もうっw」
「良い景色だなここw」
「うん。お姉ちゃんがね、パパとママならここが気に入ると思うからって。」
「そうか。」
そう言って、ハルさんは何も言わず黙って側に居てくれた
「2人ともー、さぁ行くわよーw」
「瑠李ちゃんも、ハルも早くおいでよ!」
お姉ちゃん達に呼ばれて向かった
「ホテルにチェックインするわよw」
ホテルのラウンジのソファーに座って
雅人さんが来るのを待っていた
「はい、これ部屋の鍵ね。はい、優季と瑠李ちゃんの部屋の鍵ね。こっちは俺とハルの部屋。」
「え?俺、雅人と一緒の部屋なのか?」
「え?何?その不満そうな声wどう考えてもこの組み合わせだろ!?」
「「「・・・・・・」」」
お姉ちゃんと二人で部屋に入った
高層階の部屋からは海が一望出来るようだ
ベランダに出てみると潮の匂いが鼻を刺激した
「素敵な所だね。」
「そうね。雅人が選んだのよw瑠李が喜ぶようにってw」
「雅人さんが?そうなんだ。嬉しいなw」