第2章 転勤と引っ越し
「お姉ちゃん・・・そういえばあの人はどうするの?」
「もう!瑠李、いつまであの人なんて言うの?早ければ来年にはお義兄さんになるんだから、いい加減名前くらい呼んであげたら?」
そう・・姉には数カ月前にプロポーズされた婚約者がいる
それは大学生の時から付き合ってる人で
家にも何度か遊びに来たことがあるが
私はなんとなく苦手で・・・・・
いつも家に遊びに来ると部屋に篭もるのだ
「彼も一緒だから、間違いなくあっちで一緒に住み始めると思うわ」
あははと笑いながら言った
(そうか・・・お姉ちゃんたちが結婚したらあの人家族になるのか・・・・・)
「で、聞いてる?」
「あ、ごめん。何て言ったの?」
「だから、この部屋の契約の事とかあんたの学校の事を考えて、今月中には出たいから、そのつもりで荷物用意してね」
「・・・・うん。わかった。」
(そうか・・・ゴールデンウィークにはお姉ちゃんいないのか・・・)
大学卒業してバリバリのキャリアウーマンになった姉は
いつか海外で仕事をして自分を向上させたいと言っていた
そんな姉が就職して配属されたのは
大手会社である二海堂グループの本社の海外事業部
営業部から一年ほどで移動になったそうだ
姉にしてみれば
「私の努力と実力から行けば当たり前よね」
と、自信満々に語っていた
私は普段使わない物から片付け始めていた
と、言っても元々家具の少ない私の部屋は
クローゼットに姉のお下がりの洋服がぎっしりあって
片付けるものも少ない・・・・・
(キッチン用品やリビングの物はどうするんだろう)
「リビングやキッチンの物はどうするの?」
「食器類とかお鍋とかはほとんど捨てちゃう。向こうで使えるかわかんないし。電化製品は業者に引き取ってもらう手配してあるから大丈夫。あとは瑠李がいる物だけ持って行きなよ。」
「いる物?」
「お気に入りの食器とかあるでしょ?シルバーとか」
「うん。わかった。」
そうこうしている内に2週間が経った