第28章 ・・・信じる・・・・・
陽斗side
3人の会話に耳を傾けていると聞こえたのは
泣きながら話するぅの声だった
「それだけじゃなくて・・・・三嶋君にも言われたの。ハルさんが私の側に居るのは、私を利用しようとしているからだ。君に愛情なんて無くて可愛そうだから同情しているんだ。って。」
愛情がない?そんなわけあるか!?
本当にあのバカ男は・・・
「それを陽斗さんに言われたの?」
「聞くのが恐くて・・・・・本当にそんな答えが返って来たらと思うと、耐えられないから・・・。」
「じゃあ、このまま逃げ続ける?会えないまま耐えれる?」
そう質問されたるぅははっきり答えたんだ
「うん。耐えるよ。強くなるんだもん。」
俺はその言葉を聞いて堪らなくなった
「俺は耐えられないよ。るぅがいない毎日なんて。」
気がついたらるぅを後から抱きしめていた
「・・・は・・・・ハルさん・・・。」
「頼むから、帰って来てくれないか?言いたいことがあるなら、ちゃんと言ってくれ。じゃないとわからない。るぅが何を考えているのか。どう思ってるのか。全部聞くから、教えてくれ。」
俺はるぅを失いたくなくてそう言った
気を利かした早川さんが2人にしてくれた
俺の顔をじっと見るるぅは何も言わなかった
俺達は向かい合わせに座り直した
「るぅは・・・俺が同情で一緒にいると思ったのか?」
「・・・私にとってのハルさんは・・・・特別・・・だけど、ハルさんにとっての私は特別じゃないと思ったから・・・グス・・・。」
「同情だけで一緒にいて面倒を見れるほど、俺は優しくないし、器用じゃない。前に言っただろ?るぅは俺にとって特別だって。覚えてないのか?」
「・・・・聞いた。」
「だったら・・・・どうして俺の事なのに、俺以外の人の言葉を信じるんだ?俺の言葉じゃなく、俺以外が勝手に言った憶測や嘘を信じるんだ?」
「・・・・・・・。」
「その人が思ってる事や、考えてることは本人じゃないとわからないって話しただろ?だったら他の誰かじゃなくて俺のことに関しては俺が言う事を信じて欲しい。」
「・・・・・・。」