第28章 ・・・信じる・・・・・
「それだけじゃなくて・・・・三嶋君にも言われたの。ハルさんが私の側に居るのは、私を利用しようとしているからだ。君に愛情なんて無くて可愛そうだから同情しているんだ。って。」
「それを陽斗さんに言われたの?」
「聞くのが恐くて・・・・・本当にそんな答えが返って来たらと思うと、耐えられないから・・・。」
「じゃあ、このまま逃げ続ける?会えないまま耐えれる?」
私はその言葉を聞いて頷いた
「うん。耐えるよ。強くなるんだもん。」
そう言った瞬間、後から抱き締められた
「俺は耐えられないよ。るぅがいない毎日なんて。」
その声が耳に響き
腕の温かさが自分の体を包み
匂いが鼻孔を擽った
「・・・は・・・・ハルさん・・・。」
「頼むから、帰って来てくれないか?言いたいことがあるなら、ちゃんと言ってくれ。じゃないとわからない。るぅが何を考えているのか。どう思ってるのか。全部聞くから、教えてくれ。」
たった数日離れていただけなのに
もう何年も会っていなかった気がするくらい
嬉しかった
「・・・・グス・・・・・。」
そんな私に環さんが言った
「瑠李ちゃん。勘違いしちゃダメなの。」
「・・・・・勘違い?」
「うん。強くなるために耐えるって瑠李ちゃん言ったけど、人はそれでは強くなれない。余計に弱くなったり脆くなったりするものなの。守る物や守りたいものがあると人は強くなれるんだ。」
「守りたいもの・・・・。」
「それが何かはもう気が付いているはずよ?私も・・・夫と出会って変わったの。夫も私と関わって変わったって言われてるw」
「あぁ、かなり変わったと思うよw」
「もうっ!wあなたったらw少しはフォローしてよw」
私は後ろから抱きしめられていた体制を振り向き
抱きしめてくれているハルさんの顔を見た
数日離れていただけなのに
目の下にはクマが出来、少しやつれているように見えた
ハルさんは黙ったまま抱き締めながら頭を撫でてくれた
「では、私共は少々散歩をしてまいりますので、お二人でごゆっくりお話ください。」
そう言って、早川さんと環さんは去って行った
私はハルさんと向かい合わせに座り直した