第28章 ・・・信じる・・・・・
瑠李side
ハルさんの家を出てから3日・・・・
何をしていてもハルさんの温もりが私の心を占める
笑顔も声もしぐさも
何もかもがこんなに恋しく感じる
どうしようもないくらい大好きなのに
嘘は嫌い嘘をつく人も嫌い
だけど
ハルさんには嘘をつかれても嫌いになりたくない
だから家を出た
だけど
会いたくて会いたくて苦しい・・・・
早川さんの提案で奥さんの環さんと3人で
自然公園にピクニックに来た
芝生の上にシートを広げて3人でまったり過ごした
多分私の事を心配して連れ出してくれたんだろう
このままじゃ早川さんにも迷惑をかけちゃうから
近いうちに早川さんの家を出よう
その話をしようと思っていた時だった
「今、うちを出ようとか考えていませんか?」
図星を突かれて何も言えなかった
「瑠李ちゃん、これ以上迷惑を掛けたくないからとかそんなふうに考えてるの?」
「・・・・・事実だから。」
「そうやって、何度も逃げるんですか?」
「・・・え?」
「陽斗様とちゃんと話をせず、いつまでも逃げ続けるんですか?そんな事しても、貴女の心の中はずっと辛いままですよ?」
「ねぇ、瑠李ちゃん。その人の事大好きなんだよね?どうして逃げたの?」
「・・・私が嘘を嫌いなのを知ってるのに・・・・彼が嘘をついたんです。」
「それって、どんな嘘?」
「海に行く約束をしていた日に・・・仕事が入ったって言って、キャンセルされたんです。でもお仕事だから仕方無いって思ってたんですけど・・・女性の方と一緒にいたって・・・・将来を考えてるって言ってました。だけど私がいるから、ハルさんが煮え切らないって・・・・。」
そこまで話した私は涙が溢れてきた
私はこの数日で声を殺して泣く癖がついたようだ
口を手で覆いボロボロと泣き出してしまった
「その女性とはどなたですか?」
「・・・グス・・・明智穂奈美さんって仰られてました。」
「じゃあ、瑠李ちゃんは、その人と離れ離れになってもいいの?大好きなのに??」
「・・・・・。」
私は答えられなかった
一緒に居たくないはずがないもの
だけど口から出るのは意気地のない言葉ばかりで
素直になれない