第27章 ・・・・・嘘
「ちなみに言うと。このフェイク商品は数件用意されておりまして、どの案件がどこの会社に行くかによって漏れたルートが分かるようになっておりますw」
俺の言葉に彼女はドンドン顔色を悪くしていった
「わざわざ、証拠を残して頂いて思ったより早く片付いたので助かりました。ありがとうございます。」
「どうして・・・ただの営業部の主任の貴方がこんなことを!?」
「あぁ・・ご存じないのも無理ないですが、実は俺、特別任務についてるんですよ。」
「特別任務って何の事?」
「社の内部監査部にも所属してます。会社の膿は酷くなる前に、出しきってしまわないとダメなのでw」
「・・・私をどうするつもり?」
「どうなりたいんですか?・・・・・と聞いた所で、あなたの希望通りにはならないでしょうけどねw」
「・・・・・・・。」
「では、社長からの指示をお伝えしますね。」
そう言って俺は彼女にすべて話し終えて部屋を後にした
ホテルの出口では早川さんが
数名のSPらしき人と待機していた
俺の顔を見た早川さんが近づいていきた
「陽斗様、お疲れ様です。後はこちらで処理しますので、ご自宅へどうぞ。瑠李様がお待ちですよ。」
「わかりました。社長には明日報告します。」
「畏まりました。」
そうして俺はホテルでタクシーを捕まえ自宅へと向かった
(普通の残業の方がよっぽど楽だ・・・)
20分程走り、自宅に着いた俺は時間も時間だった為
インターフォンを鳴らさずにマンションに入った
時刻は既に日付が変わっていた
ドアを開けるとリビングからは光が漏れていた
俺はそのままリビングに向かいドアを開けた
「まだ起きてたのか?」
俺は疲れた身体をソファーに沈めた
「おかえり、お疲れ様でした。お茶でも飲む?」
「あぁ、もらおうかな。」
そう言ってキッチンへと向かったるぅの様子が
おかしかった事に俺は気が付かなかったのだ
お茶を持って来たるぅはそっけなく渡すと
「もう、寝る。」
と言ってリビングを出て行った
(あれ?なんだ?今、怒ってたような気がするけど・・・)