第23章 特別な日
瑠李side
お腹もいっぱいになった私達は夏の夜の定番
花火を始めた
お姉ちゃんや雅人さんも楽しそうにやっている
手持ち花火をやっていた私の横にハルさんが来た
「ねぇ、ハルさん。どうして今日はお世話してくれるの?」
「ん~。何でだろうな。でも普段るぅが俺にしてくれてるから、逆にしてあげたくなった。でも自炊は出来ないから。今回の計画にした。」
ハルさんのやさしさが嬉しくて
「ありがとう。ハルさん。」
素直にお礼を言った
のに、ハルさんは
「夏休みの絵日記を書かないといけないからなw」
と、からかった。
「小学生じゃないんだから!!w」
そんな些細なやりとりも楽しくてしょうがない
ハルさんを好きな気持も
昨日よりももっともっと大きくなって
自分の中から溢れ出そう
一通りの花火を堪能した私達は湖の近くに移動した
少し遅い時間になって移動した事の意味がわからなくて
「ねぇ、ハルさん?もうすぐ22時だけど、何でこんな時間に湖に来たの?」
「少し下の民家の明かりが消えるから、星がさらに綺麗に見えるんだ。」
二人で湖に向かって歩いていると
絡まった草に足を取られて転びかけた
「きゃっ。」
その瞬間、ハルさんが支えて転ばなかった
「るぅ、おいで。」
そう言って手を差し出してくれた
私はその手に自分の手を絡めた
掌から伝わるハルさんの温もりに
私は自分のほっぺが熱くなるのを感じた
湖の畔に着いた私達は昼間と同じように草の上に寝転んだ
「うわぁ~!ハルさん!!凄いね。お星様い~~~っぱいだw」
「あぁ、前に見た時と変わってない。」
「キラキラ綺麗だね!!」
「大興奮だなw」
「だって、今までこんなにきれいなの見たことないよ!?」
「そうだな。俺もここで見る星は気に入ってるよ。」
「そうなんだ。私も好きになりそうw」
「それは、良かった。」
「ありがとう、ハルさん。連れて来てくれて。」
「今年の夏休みは・・・色んな所に行こうな。」
「色んな所?」
「あぁ、夏休みの思い出いっぱい作ろうな。」
優しく微笑んでくれたハルさんにキュンとした瞬間だった