• テキストサイズ

I cannot part with you

第23章 特別な日


陽斗side


焼いた肉を小皿に取り分けて彼女に渡す


彼女が嬉しそうな顔をして受け取る


「ハルさん。美味しいよw」


「あぁ、良かったなw」


嬉しそうなるぅを見て俺も自然と笑った


君の笑顔に癒される


昨日よりも


日に日に愛しさが増える


だけど彼女にこの気持を伝える事は出来ない


俺に向けられる笑顔が消えてしまいそうだから


少しでも彼女の近くに居れる事が叶うなら


あわよくば・・・・・


彼女の気持ちが俺に向けられれば


今の状況は俺にとっては


天国と地獄が背中合わせの状態だ


彼女が一緒に居ないと安心出来ないと言った


それはもしかしたら俺もそうなのかもしれない


彼女が俺を求める以上に


俺は彼女を求めているのかもしれない


「ハルさんも食べる?」


「あぁ。」


そう言いながら、持っていたトングを側に置こうとした


「はい、ハルさん。あ~ん。」


お箸で上手に挟んだお肉を


俺に向かって食べさせようとしていた


「え?」


一瞬、何が起こったのかわからなくて固まった


「もうっ!早く食べないと落ちちゃうw」


「あ、あぁ、わかった。」


食べさせてもらった俺は


若干照れながら肉を焼く作業に戻った


(ヤバイな・・・・・俺。重症かもw)


会社では鬼と呼ばれて


女性社員に愛想を振りまかない冷たいと言われる俺が


彼女の発した一言や


ちょっとした行動で


ここまで浮き沈みさせられるとはw


どうしようもないな・・・・・


そんなことを考えていたら


「ハルさんどうかしたの?お肉焦げちゃうよ?」


俺はその一言に我に返って


急いで肉を裏返していた


目の前では相変わらず雅人と優季がイチャイチャしていた


「るぅまだ食うか?」


「結構、お腹いっぱいだよぉw」


「そか。じゃあ少し休憩したら遊ぶか?」


「え?何するの?」


目をキラキラさせて俺に尋ねる彼女はまるで幼い少女のよう


「夏といえば?」


「夏といえば?」


「そのまま返すなw」


「だって、わかんないんだもんw」


「花火だw」


「わぁ♪すごぉいw楽しそう☆」


満面な笑顔で答える彼女を抱きしめたい衝動を必死で抑えた


ペンションの前で花火を始めた
/ 380ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp