第21章 守りたい
「それから・・今回の件に伴う寄付金の1本の話も白紙に戻します。それに関してはここにいる早川に手続きをさせておりますので、まぁ10分もしない内に完了するでしょうね。彼は優秀なので。」
そう言われた早川さんはサッと頭を下げた
「1本の寄付金ですか?それくらいうちが用意いたしますわ。」
雅人の言葉を売り言葉に買い言葉状態で母親が言い切った
「良かったですね。校長先生。こちらの寄付金がなくても、三嶋さんに寄付頂けるんですから。」
「いや・・あの・・・それは・・・。」
「校長先生。それくらいすぐに用意いたしますよ。1000万くらい明日には振込ますわ。」
そこに1人の男性がすごい剣幕で入って来た
「お前たちはまたこんな馬鹿な事をやっているのか!!??」
耳を塞がれていたるぅまでもその声にビクッとなっていた
「玉城さん。もしかして、今回の件はこれが原因ですか?」
そう言われて俺はその男性を見て伝えた
「えぇ、そうです。すみません。ここにいる上司の命令で耳を塞いでいないといけないのでこんな体制で申し訳ないですが・・・早川さん、紹介してもらっていいですか?」
「畏まりました。三嶋産業の三嶋社長様ですよね?」
「はい。そうです。」
「ご紹介させていただきます。三嶋様の担当をしております。玉城の上司に当たります、九条雅人です。今回は九条の指示により三嶋様に連絡させていただいた次第です。」
「九条・・雅人・・・様。」
「えぇ、はじめまして。あぁ、今回限りですので、ご挨拶は要りませんね。失礼。」
蒼白な顔をした社長に雅人が伝えた
「うちの義妹が・・おたくの息子さんに迷惑なことをしているということで、退学を申しでたれたのでそのお話に今日は伺ったんですよ。で、校長先生にも先日お話した寄付金1本の話しと海外の学校との提携するお話を白紙に戻したいとお伝えさせていただいたら、奥様が寄付金はうちで1本用意しますと申告頂けたので、じゃあ問題無いですねという所までお話が進んでるんですよ。」
雅人が笑顔で言い切ると社長はさらに顔色を悪くした