第21章 守りたい
「玉城。ちょっと塞げ。」
雅人は俺にそう一言
俺は横に座っていたるぅに向かって言った
「瑠李。」
「・・・・はい。」
「ちょっと我慢しろよ。」
そう言いながら、彼女の両耳を塞ぎ自分に寄せた
突然の俺の行動にるぅは?マークがいっぱいのようだった
耳を塞いだことを確認した雅人はもう一度話し始めた
「うちの瑠李を退学にして本当に良いんですね?と申し上げたんですが、ご返答いただけますか?」
「えっと・・・それは・・・あの・・・・・。」
「だから何度も言ってるでしょう?頭悪いんですか?あなた方。何度も校長先生に言わせる必要ないでしょう!?いい加減にしてくださらない?」
「少し黙ってていただけますか?私は校長先生とお話してるんです。」
雅人の言葉にその母親は悔しそうに顔を歪めていた
「わかりました。では、今直ぐに転校の手続き取っていただけますか?早急にです。」
「え?よ・・よろしいんですか?ご了承頂けたと言う事で。」
「えぇ、構いませんよ。ただ!先週お話した件。すべて白紙に戻しますね。瑠李がここに居ないなら必要ないので、構わないでしょう?次の新しい学校でそのお話をさせていただきますので。」
その瞬間、校長の顔色が変わった
「ま・・・待ってください!!あの件は我が校にとってもかなり大きな話で・・・・。」
「えぇ、そうですね。ですのでお話をさせて頂いたのですが、瑠李が居ない学校に“ただ”奉仕する気はないので。必要ないですよね?というお話ですよ。」
「そんなこと言って、退学を取り消しさせようなんて甘いですわよ。校長先生、さっさと手続きして差し上げてくださいな。」
「三嶋君のお母さん。最終警告です。それを執行したら後悔しますよ?」
笑った雅人が恐ろしいほど冷酷に見えた
母親は一瞬怯んだものの言い切った
「後悔なんてしませんわ!!悪あがきはおよしになったらいかがですか?」
「悪あがき・・・ですか・・・。そうですね。そうだったら良いんですけどねぇ・・・。」
さすがにこの冷酷な雅人の顔はるぅには見せれないな・・・
そんな事を考えていた時
「ハルさん・・・まだ耳塞がないとダメなの?」
俺は一瞬だけ手を緩め
「もうちょっと我慢してて。」
再度耳を塞いだ