第21章 守りたい
陽斗side
ドアを開けたのは雅人と早川さんだった
「あぁ、失礼。緊急を要したので、そのまま入室させて頂きました。」
「あ、あなたは?」
「確か・・・大野さんのお姉さんの婚約者さんでしたよね?」
るぅの担任がそう言うと雅人はしれっと
「瑠李の義兄です。義妹がお世話になってます。」
そう答えた。
そうしてるぅの横に座ったのだが・・・・・
踏ん反り返って偉そうだw
雅人の登場に三嶋の母親は苛立ちを見せていた
「誰が来られようと、こちらの意向は変わりませんよ。」
三嶋のバカ息子は横でほくそ笑んでいた
「もう一度確認しますけど、三嶋さんでしたっけ?三嶋という名前の権力を使ってうちの瑠李を退学させるんですね?」
「何度も同じことを言わせないでいただけますか?頭がお悪いんですか?」
「わかりました。そこまで言うならこちらも動かせていただきます。玉城。今直ぐ電話しろ。」
雅人が俺の苗字で呼ぶ事自体珍しい
仕事中でも大事な取引中でもたまに素を出すバカだったから
かなり冷静だろうが怒りはかなりMAX状態なんだろう
俺は直ぐに電話を取り出しある人に掛けた
「お世話になってます。玉城です。はい。今回の件ですが無かった事にしてください。理由は・・・・・上司命令です。」
電話の相手はかなり焦っていた
そりゃそうだろう、うちの会社と契約をしたい会社は数知れない
今までもうちと提携した会社の業績はうなぎ上りだ
そんな会社との契約が出来なかったと噂でも広まった日には
経営自体が危なくなる
まともな経営者ならそこは予測がつくだろう
目の前の二人は今その電話が何故必要なのか
わかっていない様子だった
俺は手短に内容だけ伝えた
「申し訳ございませんが、私只今、上司と聖海南学園で商談中ですので、これで失礼させていただきます。」
電話の相手が頭が良ければ察しがつくだろう
その話を終えた俺を見た雅人は校長に向かって話しかけた
「校長先生も担任も良いんですね?」
「「え?」」
二人は同時に固まったまま雅人を見ていた