第21章 守りたい
瑠李side
突然渡された携帯を耳に受話器を当てた。
電話の向こうからは雅人さんの声がした
”もしもし?ハル何があったんだよ?どうなったんだ??”
私は携帯を耳に当てたまま目を瞑った
学校は辞めたくない
だってせっかく通わせてくれたお姉ちゃんに悪いもの
ハルさんだって雅人さんも
皆私のために動いてくれてるんだから
目を開いた私は電話の相手に向かって話した
「お義兄ちゃん・・・・・助けて。学校辞めさせられちゃうの。学校辞めたくない。」
“わかった。すぐに行く。”
そう一言言うと電話は切れた
私はハルさんに電話を返した。
相手の行動を察したのか、ハルさんは何も言わなかった
「で、どうされるんですか?大野さん。」
「わ・・私は辞めたくないんです!」
「校長先生!!早く決定してください!!私もそんな暇人じゃないんですのよ。」
「彼女を辞めさせて本当にいいんですか?」
「玉城さん。そ・・・それはどういう意味ですか?」
「そのままの意味ですよ。三嶋さんでしたっけ?お宅の息子さんがそう仰られて、母親のあなたがそれを鵜呑みにして、彼女に、こんな仕打ちをさせて本当に良いんですか?」
「彼女の保護者か何か存じ上げませんけど、今回のように他の生徒に迷惑をかけるような生徒をそのままにしておくべきではございませんもの。これからのこの大事な時期になるのに・・。」
「で、あなたはそれを何の権限でそんな事をされるんですか?」
「権限だなんて・・・・・。息子の事を思う母親なら当たり前の事でしょ!?そんな事も分からないの?」
「申し訳ございません。まだ私も親ではないので。あくまでも保護者代理ですので。再度お伺いしますが、あなたがそこまでされるのは何の権限ですか?あぁ、すみません。言い方がおかしかったですね。何の権力でそれらを施行されるのですか?」
「何なんですか?あなた。まるで私にそんな権力がないとでも仰りたいのかしら?」
「いいえ、ただ疑問に思っただけですから。」
そんなやりとりをしていたら校長室のドアが開いた