第21章 守りたい
目の前でまるで自分が凄い権力者と言わんばかりの
母親とそれに甘える息子に対して苛立ちを感じていた
その時携帯に着信が入った
画面を見ると雅人だった
俺は一言断りを入れて電話に出た
「はい。」
”あぁ、もしもしハル?どうなった?”
「そうですね・・・。」
不安そうな顔で俺を見上げているるぅを横目に
「すみません。彼女がお話があるそうです。」
そう言ってるぅに電話を渡した
彼女は驚いていたが携帯を受け取った
そして俺は彼女に言った
「るぅ、学校辞めたくないんだろう?」
「・・・・・。」
「こんな茶番にいつまでも付き合うほど暇じゃない。ここにいる俺以外は全員味方じゃない。そんな奴らに遠慮なんかする必要はない。お前が自分で助けを求めろ。電話の相手に。」
そう言うと彼女は耳に受話器を当てた。
”もしもし?ハル何があったんだよ?どうなったんだ??”
電話の声の主を雅人だとわかったのか
るぅは携帯を耳に当てたまま目を瞑った