第20章 深まる罠・・・・・そして真実
陽斗side
自宅に戻った俺達はリビングでコーヒーを飲んでいた
雅人と秀樹さんと秀樹さんの部下である俺達の後輩がいる
るぅは俺の横でピッタリとくっついてる
手は握ったままだ
俺はその手を握り返した
少しでも彼女が安心出来るように
そう願いを込めて
「今回の件、上に掛けあってきたそうだ。あの執事が。穏便に済ませろと。」
「で、上は何て答えたんっすか?」
「彼女に今後一切、関わらないのならその条件を飲むと伝えてくれたそうだ。」
「さすがに、九条家が関わってきたら、三嶋もしょぼいもんだろうw」
「雅人さん凄いっすねw」
「凄いのは、俺じゃなくて、先代だ。」
「うわぁ、謙虚~。見習って欲しいっすねw」
「誰にだ?」
「いえ、俺の口からは言えないっすw」
「だったら一生黙ってろ。」
「・・・・恐いっす。」
その後も皆がいつもの口調で話していたが
るぅは・・・・一度も笑わなかった
「るぅも今日は色々あって疲れただろ?早く休んだほうがいい。だからお前ら全員帰れ。」
「「ひどっ!!」」
「まぁ、今日の所は遠慮した方がいいな。陽斗、明日話しに来る。おいバカ!帰るぞ。」
「酷いっすよ。秀樹さんまでバカとか・・・。」
「事実だろうw」
「今回も俺結構役に立ったっしょ?」
「それは自惚れだw」
「じゃあ、俺は和室借りる。明日早朝で仕事あるから、今から帰るの面倒だしw」
「あぁ、わかった。おやすみ。」
そしてリビングに二人っきりになった
相変わらず腕にしがみついていた
無言でどこか一点を見つめていて
「そろそろ部屋に行って休むか?」
そう言いながら俺が立ち上がった
るぅの部屋の前で彼女の部屋のドアに手をかけて
部屋に入るように促した
だが、入ろうとしなくて
一緒に入り、ベットに寝かせた
だけどやっぱり腕を離そうとはしなかった
「るぅ?離してくれないと俺も部屋にいけないんだが?」
そう聞くものの、彼女は首を振るだけだった
「・・いから・・・・・ないの・・・・やだ・・・・」
途切れ途切れの言葉は
涙を流しながら発した彼女の気持ちだった