第20章 深まる罠・・・・・そして真実
「瑠李ちゃん!!!」
そう叫んで私に近づいたのは雅人さんだった
「無事でよかった!!」
そう言いながら手を握られた
「ま・・さと・・・さん。」
「うん。そうだよ。何もされてない?大丈夫?」
「るぅ。大丈夫か?」
雅人さんとハルさんが来てくれた安心感から
私はポロポロと泣き出した
「こ・・・わかった・・・よぉ・・・・。うぇえぇえぇえええぇぇぇぇん・・・・」
「俺の・・・・ヴィーナスに触るなぁあぁあああぁあ!!!」
そう叫んで雅人さんとハルさん目掛けて
ナイフを片手に突っ込んできた
それを雅人さんが蹴り交わしナイフを取り上げた
ハルさんは私を庇う様に抱きしめてくれていた
そして雅人さんはナイフだけではなく
三嶋君自身も蹴り飛ばしたのだ
ガターン!!という大きな衝撃音がしたと同時に
彼が床に転がった
「お前!!俺が誰か分かってるのか!!??」
「さぁ誰だっけな?」
「俺が三嶋物産の息子だって知ってるのか!!??」
「おい、ハル知ってるか?」
「さぁ、知らないね。」
「お前ら!!ふざけやがって!!!!!」
さらに殴りかかって来ようとする三嶋君を雅人さんが
やっぱり殴って倒した
「何にも出来ない、親の肩書だけのお坊ちゃんなんて何とも思わねぇよ。ばーか。」
「二度と瑠李に近づくなよ!?今度近づいたら知らねぇぞ?」
「お前たちなんか、潰してやる!!!!」
「おぉ、首を洗って待っててやるよばーか!」
ハルさんと雅人さんは三嶋君を煽り
私を連れてその家を後にした
「瑠李ちゃん乗って。」
そう言われてみたのは黒塗りの車だった
私はフラッシュバックした
誘拐された時と同じ状況が見えて
身体が震えて足が動かなくなったのだ
「い・・嫌!!乗りたくない!!!歩いて帰る!!!」
「るぅ・・・恐いのか?」
そう聞かれて素直に頷いた
「そうか。じゃあ、俺の車で帰ろう。雅人運転頼む。」
「あぁ、わかった。」
そうして別で来ていたハルさんの車に
私とハルさんは後部座席に乗り込み
雅人さんの運転で自宅に向かった