第20章 深まる罠・・・・・そして真実
「それは・・・どういうこと?」
「君のマンションの前で会ったのは偶然じゃない。俺が君の住んでるを知っていたからだ。その時に誘拐された男達も俺が金で雇ったバカ共だよ。」
「じゃあ・・お金目当てだったってゆうのも?」
「そうだよ。まぁ実際にいくらか払ったけど、大した額じゃないし。あのことに関して何が目的だったからわかる?」
彼の言葉が信じられなくて首をふるしか出来なかった
「君の信頼を手に入れて、君との距離を近づけるためさ。窮地に追い込まれた人は近くにいる味方だと認識出来る相手に好意を抱きやすくなるからね。」
そんな酷い言葉を発する彼を見ていた
身体は震え、自分の中に恐怖心しかなかった
そしてまた続きを話しだした
「飯島の件はね・・正直想定外だったよ。あいつが君に手を出すかなとは思ったけど、まさか男を雇ってまでやるとは思わなかった。汚いあいつらが君に触れたと思っただけでムカつき過ぎて気が狂いそうだった。」
「・・・・・・もう聞きたくない。」
「君が今一緒にいる男は君の事を利用しようとしているんだよ。君のことを本当に必要としているのは俺だよ?早く気がつけばいいんだそれに。」
「やめて!!!彼は利用するとかそんなことしない!!!優しいもん!」
「それは愛情じゃない。同情なんだよ。君が可哀相だと思って、同情しているだけなんだ。」
「そんなことないもん!」
一度も思ったことがないわけじゃなかった
だけど
それを認めたくなくて
三嶋君の言う事が本当かもしれない
それを言い当てられて
私は苦しくなった
涙が止まらなくなり
身体も震えたままだった
「だから、これからは俺と一緒にいればいいんだよ。必ず幸せになれるから。」
三嶋君の言うセリフを私は受け入れられなかった
「君のそばに俺はいるから。同情なんかじゃなくて。」
「もうやめて!!聞きたくない!!」
「大丈夫だよ。落ち着いて。俺は君の味方だからね。」
耳を塞ぎしゃがみ込んだ
その時ドアが開き人が雪崩込んだ
「そこまでだ!!バカ男!!!」