第19章 仕組まれた罠・・・・・向けられた刃
瑠李side
私達は水族館の中を手を繋いだまま歩いていた
「次は何が見たい?」
そうハルさんに尋ねられて
「ペンギンw」
「わかった。じゃあ見に行くか。」
「歩き方がキュート☆やっぱり可愛いなぁ☆」
「ぷっw」
「何で笑うの?ハルさん。」
俺は横で同じ様にペンギンを見ている
小さい女の子を指差した
「あの子と一緒だったからww」
「ねぇ、パパぺんぎんさん可愛いね!!」
「あぁ、可愛いね。」
「いっしょにいるのはパパかな?ママかな?」
「うーん。どうだろうね。きっとママじゃないかな?」
「え~。パパかもしれないよ?」
「あははwそうだなwお腹の所で守ってもらってるんだなw」
「じゃあ、あたしもぺんぎんさんみたいにパパのお腹の所にくっつく~☆」
その会話を聞いていたるぅは無言で俺を見ている
そして呟いた
「私はあそこまで子供じゃないもん・・・・・。」
「さぁ・・どうだろうねぇ・・w」
「いいもん。そんな意地悪なハルさんは好きじゃない・・。」
そう言いながら少し拗ねているのか、口を尖らせていた
そしてすっと手を離し、歩き始めた
10分程歩きまわった所で声を掛けた
「少し座って休憩しようか?」
すると無言で頷いた
「じゃあ、ここに座っててくれ。何か飲むもの買ってくるから。」
俺はそう言って売店に向かった
ふと見ると横のおみやげ屋さんでぬいぐるみを見つけた
「すみません。これもください。」
俺は気がつくとペンギンのぬいぐるみとストラップを
購入していた
「俺も雅人の事は言えないな・・w」
そう一言呟いてるぅが待つベンチへと向かった
カフェオレを渡すと無言で飲んでいた
俺も無言でコーヒーを飲み、ベンチに置いた
さっき購入した物を袋から出し彼女の前に差し出した
「まだ怒ってる?」
「怒ってない・・・。」
「じゃあ何で喋らないんだ?」
俺が差し出したぬいぐるみを彼女は無言で抱きしめた
「だって・・・ハルさんが子供扱いするんだもん・・・。」
「俺にとってはるぅは子供じゃないよ。女の子だ。」
「子って言ってる時点で子供扱いだよ・・・。」