第19章 仕組まれた罠・・・・・向けられた刃
陽斗side
二人で呑んでいた時優季が言った
「瑠李に好きな男がいてショック?」
その言葉に少なからず動揺した
ショック・・・・なのだろうか
俺は優季に
「いや・・・驚いただけだ。」
そう返していた
その言葉を聞いた優季が
「そう。じゃあ問題ないわね。」
そう言った
それから世間話をしながらお互い寝ることにした
俺はベットに入り考えていた
このもやもやした気持ちは何なんだ
るぅに好きな男がいると聞いて焦った
彼女に対して特別な感情を持っているのは間違いない
だけどそれは
妹的な家族としてなのか
それとも一人の女としてなのか
守ってあげたいと思うのも事実だ
今まで付き合った女に対してそう思ったこともなかった
だけどるぅの好きな相手の事が気になって仕方ない
俺はモヤモヤした考えのままいつの間にか眠っていた
ふと、目を覚ますと時計は9時を指していた
もう一度目を瞑ると控えめなノックの音が聞こえた
ドアが開く音と共に入って来たのはるぅだった
「ハルさぁん・・・朝ですよ・・?朝ご飯出来ましたよ?」
俺は寝たフリを決め込んだ
るぅは俺の前にしゃがみ込み声をかけている
「起きないんですか?お天気良いのでお出かけできますよ?」
反応しない俺に軽く揺すってきた
「ねぇねぇ、ハルさぁん。起きてw」
そう言われて目を開けた俺の視界に飛び込んできたのは
窓から差し込む太陽の光と
彼女の笑顔だった
(やっぱり、るぅは俺にとっての特別な女性なんだろう)
起き抜けの働かない頭でそう整理していた